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萌えキャラがマスコットな会社なんて嫌だ!!
マスコットキャラクター。
そんなものを家の会社でも作ろうじゃないかと、
低迷する業績を憂いだあさはかなお偉いさん方が、安直な対策を打ち出した。
更にまずいことに、経費削減と称してプロのデザイナーに依頼せず、
社内から募ることにしたようだ。
数百人も従業員がいるなら、誰か一人くらいまともなアイデアを出すだろうと、
期待したんだろう。
金一封と称して十万円ほど払っておけば、
プロに依頼するよりも安上がりだとでも思ったのだろうか。
自社のマスコットなんだから自分達で考え用などと宣っていたが、
まぁそこまではわからなくもない。
マスコットキャラクターと言うからには、
人や動物や植物などの企業や商品のイメージを具現化した何かでなければならない。
つまり、そこから連想されることは、絵が描けなければいけないということだ。
幼稚園児の落書きのようなラフスケッチを持っていっても、
プロが手直しをしてくれるわけでもなく、
間違ってそのまま採用されるようなことがあれば末代までの恥となりかねない。
マスコットキャラクターごときで業績が改善すると考えておきながら、
その経費さえも削減しているような連中の考えることだから、
見るに耐えない絵でも採用しかねない不安は全社員が抱いていたことだろう。
要するに、これに応募するのには、そのまま採用されて長く衆目にさらされる事にも
耐えられるだけの絵心が要求されることになる。
さて、そんな絵の描ける度胸のある人物が家の会社にどれほどいるだろうか。
きっと少ないだろうな、と思ったのは俺だけではないはずだ。
しかし、一人だけそれができる確かな心当たりがある。
俺の目の前の席で、仕事もしないでずっと絵を描きつづけている人物だ。
もちろん大道寺さんに他ならない。
大道寺さんの場合、十万という端金よりも、もっと別な野望を抱いている気がする。
確かに大道寺さんの絵が上手いことは明らかだ。
何に必要なのかは俺には到底理解できないのだが、
高価な各種のお絵書き用機材にソフトまでが揃っている。
幸い使いこなしているようだから、無駄にはならないんだろう。
そして、おそらくそれらの資産が初めて真っ当な会社の業務のために
使用される機会が訪れたのではないかと俺は思う。
しかしだ。それらの資産を活用して描き出される絵は、
到底家の会社のマスコットキャラクターには相応しくないもの達だと思うのは、
俺だけではないはずだ。
まるで同人誌という名の無検閲の、無限の夢と希望と欲望の詰まった本からとびたしてきたのかと
錯覚するような少女たちを描くのだ。
幸いにして服はきていたようだが…。
一見すると小さなお子様にも優しい絵に見えるのだが、
その少女たちの放つただならぬオーラは明らかに大きなお友達に向けられている。
そういうものを生み出す企業であるならば、それも悪くはないだろう。
しかし、家の会社はそんなものとは全く無縁だ。
とは言ってもだ、大道寺さんの絵と比べられてしまうと、
他の社員が応募した数点の絵など霞んでしまうほど上手く描かれているのは事実だ。
きっと大道寺さんが本を売り出せば徹夜をしてでも買い求める人が列をなすに違いない。
となれば、出す結論は一つしかないはずだと皆思っていたことだろう。
社内公募は失敗だった、と。
いくら上手く描けていても、企業のイメージにそぐわず、
かつ公衆の目に触れさせることさえ憚られるような絵を採用するなど、
ありえないじゃないか?普通さ。
しかし、あろうことか一部のおめでたい連中が大道寺さんの絵を採用しちまいやがったんだ!
何も知らない連中は、皆口をそろえてこう言いやがるんだ。
「可愛い絵じゃない」
ふむ…。
まぁそれも間違いではないのだ…。
ロリっとしてぷにっとした感じのまだ年端もいかぬ少女の絵だ。
確かに可愛くあどけない笑顔を浮かべているのだが…
その裏に隠された、絵描き手の薄汚れた汚らわしい欲望など、知る由もないのだろう。
こうして、無能な連中がマスコットキャラクターを決めちまいやがったんだ!
これでは業績が不審になるのも道理だ。
と、俺はついこの間まで思っていた。
ところが、マスコットキャラクターを発表して以来、
家の製品の問い合わせが増えているというから驚いた。
どうせ偶然に決まっているさ!俺はそう思いたかった。
「この世に偶然はない、あるのは必然だけだよ」
大道寺さんがそう言った。
「いやぁ、すごいよ!
マスコットをみてとりあえず問い合わせをしてみたってお客さんが増えてるんだよ!」
橋本営業課長がうれしそうに言っていた。
「ところで、あの絵にはどういう意味があるんですか?」
俺は大道寺さんに直接尋ねてみた。
「家の会社はまだ出来て十数年くらいでしょ。
これからお客様好みの会社に成長していきますよ〜っていう意味だよ」
大道寺さんはそう言った。
「で、どうして幼い少女じゃないといけなかったんですか??」
もう少し世間一般がイメージするようなマスコットキャラクター像に
近づけた方がよかったのではないかと思うんだ。
「だから、十歳くらいの少女なんだよ。
それにね、千年も昔の平安の世からロリは日本の文化であり、美学だとされてきたでしょ?」
成人男性が十歳くらいの少女を家に連れ帰り、自分好みの将来の嫁とすべく、
英才教育を施すという慣わしは、日本の代表的な文学にも描かれているでしょ!?」
そんな慣わしがあったとは初耳だ!
現代日本でそんなことをした雅な日本人は、
皆マスコミにおもしろおかしく取り上げられ変質者扱いされていることを、
大道寺さんは知らないのだろうか?
「僕は耳と目を閉じた人間になろうと考えた」
大道寺さんは、俺の疑問にそう返してくれた。
迷惑な!周りはお構い無しに口だけは開きっぱなしということか!?
自分に都合の悪いことからは目を反らし、耳を塞ぐということか!!
その自己主張の過ぎる口こそ塞いでもらいたいものだ。
そうすればあなたも天才ハッカーになれますよ。
そんなものを家の会社でも作ろうじゃないかと、
低迷する業績を憂いだあさはかなお偉いさん方が、安直な対策を打ち出した。
更にまずいことに、経費削減と称してプロのデザイナーに依頼せず、
社内から募ることにしたようだ。
数百人も従業員がいるなら、誰か一人くらいまともなアイデアを出すだろうと、
期待したんだろう。
金一封と称して十万円ほど払っておけば、
プロに依頼するよりも安上がりだとでも思ったのだろうか。
自社のマスコットなんだから自分達で考え用などと宣っていたが、
まぁそこまではわからなくもない。
マスコットキャラクターと言うからには、
人や動物や植物などの企業や商品のイメージを具現化した何かでなければならない。
つまり、そこから連想されることは、絵が描けなければいけないということだ。
幼稚園児の落書きのようなラフスケッチを持っていっても、
プロが手直しをしてくれるわけでもなく、
間違ってそのまま採用されるようなことがあれば末代までの恥となりかねない。
マスコットキャラクターごときで業績が改善すると考えておきながら、
その経費さえも削減しているような連中の考えることだから、
見るに耐えない絵でも採用しかねない不安は全社員が抱いていたことだろう。
要するに、これに応募するのには、そのまま採用されて長く衆目にさらされる事にも
耐えられるだけの絵心が要求されることになる。
さて、そんな絵の描ける度胸のある人物が家の会社にどれほどいるだろうか。
きっと少ないだろうな、と思ったのは俺だけではないはずだ。
しかし、一人だけそれができる確かな心当たりがある。
俺の目の前の席で、仕事もしないでずっと絵を描きつづけている人物だ。
もちろん大道寺さんに他ならない。
大道寺さんの場合、十万という端金よりも、もっと別な野望を抱いている気がする。
確かに大道寺さんの絵が上手いことは明らかだ。
何に必要なのかは俺には到底理解できないのだが、
高価な各種のお絵書き用機材にソフトまでが揃っている。
幸い使いこなしているようだから、無駄にはならないんだろう。
そして、おそらくそれらの資産が初めて真っ当な会社の業務のために
使用される機会が訪れたのではないかと俺は思う。
しかしだ。それらの資産を活用して描き出される絵は、
到底家の会社のマスコットキャラクターには相応しくないもの達だと思うのは、
俺だけではないはずだ。
まるで同人誌という名の無検閲の、無限の夢と希望と欲望の詰まった本からとびたしてきたのかと
錯覚するような少女たちを描くのだ。
幸いにして服はきていたようだが…。
一見すると小さなお子様にも優しい絵に見えるのだが、
その少女たちの放つただならぬオーラは明らかに大きなお友達に向けられている。
そういうものを生み出す企業であるならば、それも悪くはないだろう。
しかし、家の会社はそんなものとは全く無縁だ。
とは言ってもだ、大道寺さんの絵と比べられてしまうと、
他の社員が応募した数点の絵など霞んでしまうほど上手く描かれているのは事実だ。
きっと大道寺さんが本を売り出せば徹夜をしてでも買い求める人が列をなすに違いない。
となれば、出す結論は一つしかないはずだと皆思っていたことだろう。
社内公募は失敗だった、と。
いくら上手く描けていても、企業のイメージにそぐわず、
かつ公衆の目に触れさせることさえ憚られるような絵を採用するなど、
ありえないじゃないか?普通さ。
しかし、あろうことか一部のおめでたい連中が大道寺さんの絵を採用しちまいやがったんだ!
何も知らない連中は、皆口をそろえてこう言いやがるんだ。
「可愛い絵じゃない」
ふむ…。
まぁそれも間違いではないのだ…。
ロリっとしてぷにっとした感じのまだ年端もいかぬ少女の絵だ。
確かに可愛くあどけない笑顔を浮かべているのだが…
その裏に隠された、絵描き手の薄汚れた汚らわしい欲望など、知る由もないのだろう。
こうして、無能な連中がマスコットキャラクターを決めちまいやがったんだ!
これでは業績が不審になるのも道理だ。
と、俺はついこの間まで思っていた。
ところが、マスコットキャラクターを発表して以来、
家の製品の問い合わせが増えているというから驚いた。
どうせ偶然に決まっているさ!俺はそう思いたかった。
「この世に偶然はない、あるのは必然だけだよ」
大道寺さんがそう言った。
「いやぁ、すごいよ!
マスコットをみてとりあえず問い合わせをしてみたってお客さんが増えてるんだよ!」
橋本営業課長がうれしそうに言っていた。
「ところで、あの絵にはどういう意味があるんですか?」
俺は大道寺さんに直接尋ねてみた。
「家の会社はまだ出来て十数年くらいでしょ。
これからお客様好みの会社に成長していきますよ〜っていう意味だよ」
大道寺さんはそう言った。
「で、どうして幼い少女じゃないといけなかったんですか??」
もう少し世間一般がイメージするようなマスコットキャラクター像に
近づけた方がよかったのではないかと思うんだ。
「だから、十歳くらいの少女なんだよ。
それにね、千年も昔の平安の世からロリは日本の文化であり、美学だとされてきたでしょ?」
成人男性が十歳くらいの少女を家に連れ帰り、自分好みの将来の嫁とすべく、
英才教育を施すという慣わしは、日本の代表的な文学にも描かれているでしょ!?」
そんな慣わしがあったとは初耳だ!
現代日本でそんなことをした雅な日本人は、
皆マスコミにおもしろおかしく取り上げられ変質者扱いされていることを、
大道寺さんは知らないのだろうか?
「僕は耳と目を閉じた人間になろうと考えた」
大道寺さんは、俺の疑問にそう返してくれた。
迷惑な!周りはお構い無しに口だけは開きっぱなしということか!?
自分に都合の悪いことからは目を反らし、耳を塞ぐということか!!
その自己主張の過ぎる口こそ塞いでもらいたいものだ。
そうすればあなたも天才ハッカーになれますよ。
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